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「鼻から」の内視鏡検査拡大中 読売新聞 2012年7月1日 朝刊掲載

日本人が罹患するがんの中で、最も患者数が多い「胃がん」※。
早期発見できれば治療できる病気だが、そのためには定期的な胃がん検診が欠かせない。
近年その検診方法に、鼻から胃カメラを入れる「経鼻内視鏡検査」が拡大してきている。
従来の口から胃カメラを入れる検査やバリウム検査とはどう違うのか--。
経鼻内視鏡検査を体験した陣内さんと、国立がん研究センターの角川医師に語っていただいた。

※国立がん研究センターがん対策情報センター「部位別がん罹患数(2005年)」より

初めて体験した鼻から胃カメラ

スポーツジャーナリスト・ タレント 陣内 貴美子さん

陣内:私は、口から胃カメラを入れる検査やバリウム検査を受けたことがあるのですが、苦しい思いをしたのを覚えています。それ以来、胃がん検診には「しんどいもの」というイメージを持っていました。

角川:そういう方は多いですね。胃がんは早期発見できれば十分治療できるにもかかわらず、検診受診率はまだまだ低いのが現状です。早期発見のためにも、もっとたくさんの方に検診を受けてほしいと思います。陣内さんは、胃がん検診の方法の一つに、鼻から胃カメラを入れる「経鼻内視鏡検査」があることはご存じでしたか。

次も「鼻から」胃カメラで

陣内:実は友人から体験談を聞いたことがあって、以前から興味を持っていました。今回、検査を実際に受けてみて一番印象的だったのは、体に感じる負担が少なかったことです。異物が入る感じはあるものの、痛みや苦しみはほとんどありませんでした。

角川:体に負担が少ないと感じるのは、胃カメラ自体が細くて柔らかいこと、舌根部に触れないため「おえっ」としにくいこと、麻酔に用いる薬が少ないことなどがあげられると思います。観察時間は5、6分、検査終了後30~60分程度で食事ができ、時間の制約が少ないことも利点です。

陣内:私の場合も検査は短時間で済みましたし、午前中に検査を終わらせて午後には仕事に行けるので、予定を立てやすい点もありがたかったですね。

検査中に会話ができる安心感

独立行政法人国立がん研究センター がん予防・検診研究センター検診開発研究部室長 角川 康夫さん

角川:経鼻内視鏡を用いた胃がん検診でも、まず最初は問診を行います。問診等で実施可能と判断された場合には、まず鼻の中に粘膜の血管を収縮させる薬をスプレーして、鼻腔を広げ胃カメラを通りやすくしてあげます。その後、細くて柔らかい管を使って鼻の中に麻酔をします。これは局所麻酔なので眠くなることはほとんどありません。そして、鼻から胃カメラを入れていきます。

陣内:検査中、私は先生と一緒にモニターを見ていました。自分の体内を見るのは初めてで不安だったのですが、意外ときれいでしたね(笑)。先生にも「きれいですね」と言ってもらえましたし、何より検査中に会話ができたのがよかったです。

「カギは検診での早期発見」

角川:経鼻内視鏡では口の方は自由ですので、観察中も医師と受診者が会話できるのがメリットです。万が一、痛みなどを感じても、すぐに医師に伝えることができるので安心だという方も多いですね。医師としても、落ちついてゆったり診られるというメリットもあります。

陣内:そうですね。今回の検査では、先生の説明を聞きながら検査でき、さらに画面を見て気になることがあれば、その場で先生に質問できるのには安心しました。

角川:検査中にわからないこと、気になることがあったらどんどん質問していただきたいですね。不安のない、リラックスした状態で検査を受けることができれば、また検診を受けようという前向きな気持ちにもつながりやすいのではないでしょうか。

陣内:確かにそうですね。今回のような検査なら、また次も鼻から胃カメラを選びたいと思います。

角川:画質的に経鼻内視鏡が経口内視鏡とまったく同等、とまでは言えませんが、以前の経鼻内視鏡に比べると現在のものは画質が大幅に向上しており、胃がん検診として活用するには十分だと考えています。経鼻内視鏡検査を受けた方の多くが、次回も経鼻を希望されます。また、最近の経鼻内視鏡は細さだけでなく柔らかさも増しています。

定期的に受診するきっかけになりました。

陣内:鼻から胃カメラは、いつかは受けてみようと思っていました。私の場合は、未知の体験が怖かったのと、悪い結果が出たらどうしようという不安もあったのだと思います。実際に検診を受けてみたら思ったより楽でしたし、異常なしという結果が出たので、また次も行こうという気持ちになれました。

角川:まずはがん検診を受けに行くこと、一歩踏み出すことが大切ですね。その体験を踏まえて「次回も受けてみよう」という気持ちになってもらえれば、検診を担当する医師としてこんなにうれしいことはありません。胃がんの罹患率は年齢とともに増えていきます。これからも継続的にがん検診を受けていくことが重要です。

陣内:実は、鼻から入れる胃カメラには夫(元プロ野球選手の金石昭人氏)も興味を持っているんです。彼は検診嫌いなので、今回の話をしてすすめてみようと思います。

角川:今や、胃がんは怖い病気ではありません。早期発見によって十分治療できますし、医療機器も精度や受診者への配慮などさまざまな面で進化しています。積極的に検診を受けて、皆さんに胃がんから身を守っていただきたいと思います。

胃がんの死亡者数は第2位

現在、胃がんは早期発見できれば治療が可能になっている。しかし胃がんによる死亡者数は今なお多く、2009年の統計では、がんの中で肺に次いで第2位の位置を占めている。
胃がんの早期発見のためには定期的な検診が重要とされているが、今回取り上げた「内視鏡検査」には、口から入れる「経口」と鼻から入れる「経鼻」とがあり、特に「経鼻」では近年直径が小さく管も柔らかい胃カメラが登場。採用する医療機関も増え、選択の幅が広がったことで、胃がん検診受診率の向上が期待されている。

開発者の声
富士フイルム株式会社 メディカルシステム開発センター池田 利幸さん

胃がんの早期発見には、直接胃の内部を観察できる内視鏡検査が有効です。 しかし口から入れる従来の内視鏡検査は「おえっ」となりやすいため苦手な人が多く、受診率の低さにつながっていると言われてきました。一方、鼻から入る内視鏡は、嘔吐反射の原因となる舌根に触れないため「おえっ」となりにくく、患者さんにあまり負担を掛けることなく検診を受けていただけます。  
内視鏡の開発のポイントは、ただ細くするだけでなく、柔らかい粘膜の通路を通すためスコープ自体も柔らかくするなど、安全性と耐久性を含めた「高い信頼性」が求められています。当然その上で、微細な病変 を見つけだすための画質は維持しなければなりません。開発においては、富士フイルムが培ってきた光学技術や画像処理技術を生かして高画質化を図りました。ドクターからは「口からの内視鏡と遜色ない画質」という声が寄せられるようになりました。  
これからも鼻から入る内視鏡で内視鏡検査が苦手な人を減らせるように、また、小さな病巣まで見つけやすくするために、技術開発に取り組んでいきます。

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